「外国人追い出しデモ反対行動」救援会声明――支援のお礼と報告をかねて

2009年4月11日、蕨市で行なわれた排外主義団体による集会、デモに抗議中に二名が逮捕されました。一名については4月29日に,もう一名については5月1日に釈放され、ともに元気に日常生活に復帰しています。

本件では、一名は排外主義団体の横断幕の一部を奪い取った廉で「窃盗罪」、もう一名は警察署への抗議中に「公務執行妨害」で、逮捕されました。いずれの行為についても証拠隠滅や逃亡の恐れがないにもかかわらず、検察、裁判所、警察は、計4回に及ぶ家宅捜索を行い、かつ二度の勾留延長によって実におよそ20日もの間、両名を勾留し続けました。しかも、先の一名については略式起訴というかたちで決着しましたが、その際、検察は、「窃盗罪」を「器物損壊罪」に切り替えざるをえず、また、もう一名についても警官を「殴った」などという偽りの容疑をでっちあげました。このように、警察、検察、またそのいいなりの裁判官は、この長期間の勾留と家宅捜索がいかに適正な手続によらない、恣意的なものであったかを自ら露呈したのです。こうした警察、司法による、正当な表現活動に対する「いじめ」に他ならない行為に対して、私たちはあらためて断固抗議し、このような「いじめ」を意のままに行える代用監獄制度の即時廃止を要求します。

同時に、わたしたちは、この間の取り組みをつうじて、こうした司法と警察権の濫用が日本に生活する外国籍の人びとに対して日常的に抑圧を加えていること、そしてかかる制度的抑圧こそが、排外主義運動がかくも傲慢にふるまえる土壌をつくりだしているということを強く、認識するに至りました。今回の排外主義団体の行動については、「怒り」「呆れ」「嘲笑」が圧倒的世論の応えであることはもはや周知のとおり。しかしながら私たちはそこで甘んじることなく、その根幹にある公権力の排外主義に目をそらすことなく対峙し、公正な社会を目指す取り組みをこれからもつづけていくことを固く決意します。

今回の救援活動は、10人近くの弁護士の方々、また救援連絡センターに支えて頂き、そして数多くの方々から支援を頂き、90万円あまりものカンパが集まりました。救援会は本声明をもってこれを総括とし、事務的な処理を終え次第解散いたします。支援を頂いたみなさま、本当にありがとうございました。


5月15日        「外国人追い出しデモ反対行動」救援会